お金事情

【投資】駐在決まった後の日本株式投資はどうしたら?

新NISAも始まり、周囲に株式投資を行う人が増えてきています。もし、駐在になった場合に株式投資はどうなるの?という悩みをよく聞きます。

海外移住が決まった際に1年以上の滞在が決まっている場合は、非居住者となります。その場合は、税法上は居住先に依存するためいくつかの注意点が必要です。色々なパターンがありますので、ご自身にあった方法で考えてみてください。

2024年8月時点で私が調べる限りですので、ご自身でしっかり調べご判断ください。

【初心者向け】全て売却

失敗すると脱税リスクや少しの損失も絶対に嫌だという方は出国前に全て売却をお勧めします。

中級者向けを読んでみて、挫折したらすべて売却を考えましょう。証券会社は各社バラバラですので、維持するか解約するかをよくある質問や問い合わせ窓口等で相談ください。

なお、下記の株式投資は引き続き制限がないので活用するかは検討しておこう。

  • 1.確定拠出年金
  • 2.従業員持株会

1番目、確定拠出年金は企業型確定拠出年金(企業型DC)と、個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ))に分かれますが、どちらも5年以内であれば継続投資が可能です。既に予定が5年を超える場合は、拠出できない場合があるようなので、問い合わせておくと良いです。

*本記事の読者の関係上第一被保険者はほぼいないと思いますが、該当する場合はiDeCoには年数にかかわらず拠出できないので注意してください。

2番目、従業員持株会も5年以内であれば継続投資が可能です。既に予定が5年を超える場合は、拠出できない場合があるようなので、問い合わせておくと良いです。

【中級者向け】現状維持持ち続ける

駐在期間中も今まで投資したものを持ち続けたいという方は、下記のメリットを享受することができます。

  • 1.配当金や株式売買時に税金が安くなる
  • 2.継続運用が可能のためキャピタルゲインを狙える

新NISAは税金はかからないですが、その他の特定口座もしくは一般口座の株式と比較した場合は、日本が居住地でないことにより税金が安くなります。

具体的には、日本在住中は配当金を受け取る場合は所得税(+復興特別所得税)と住民税がかかってくるため所得税15%(+0.315%)、住民税5%の20%の税金がかかってしまいます。しかしながら、海外駐在中は住民税はかかりませんので、所得税のみ支払えば問題ありません。

その時に正しく証券会社に届け出をしていましたら、配当金を受け取る時点で勝手に計算されており、すでに支払い済みのため確定申告も不要となります。

【上級情報】日台租税協定による所得税10%への減税

残念ですが、初めに行っておくとSBI証券や野村證券等大手証券会社では、「租税条約に関するお取り扱い」はしていないため適応されない方がほとんどです。支払者となる証券会社が下記の対応してくれない場合はどうしても適応できませんので、ご注意ください。

配当金支払い前日までに「租税条約に関する届出書」を税務署に提出することで、減税処置を受けることが可能です。提出を忘れていた人は「租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書」を提出することで税金を取り戻すことも可能です。リンク先を張っておくので確認してください。

外国居住者等所得相互免除法第2章関係(台湾関係)|国税庁 (nta.go.jp)

No.2888 租税条約に関する届出書の提出(源泉徴収関係)|国税庁 (nta.go.jp)

次に売却した場合はどうなるかと言えば、結論から言えば、海外駐在中は売却益には税金はかかりません。しかし、複雑なのでできる限りしないようにすべきかと思います。なぜなら下記リンク内の(1)~(6)に該当しないことが条件だからです。ただ、利益最大化したいという方は、特に(5)の日本国内に一時帰国中の取引は税金がかかることを気を付けて取引しましょう。

他にも上場廃止等やむを得ない売却もあるかと思いますので、よく理解して対応してください。

No.1936 海外勤務中に株式を譲渡した場合|国税庁 (nta.go.jp)

しかし、下記の注意点を考えておきましょう。

  • 1.一部の証券会社は閉じなければならない
  • 2.継続保有可能な証券会社でも新NISAは継続できない場合が多い
  • 3.特定口座は一般口座に移される場合が多い
  • 4.取引には制限がかけられる(特に買い付けできない)
  • 5.株主優待をもらうために常任代理人を立てる必要がある

順を追って詳しく説明します。

1番目、それぞれの証券会社に海外駐在員(非居住者)の扱いを取り決めがあり、原則それを遵守しなければなりません。規約等にも記載がない場合もありますので、問い合わせより聞く必要があります。小さめの証券会社であれば、証券口座を閉じてくださいと言われる可能性が高いです。

2番目、海外駐在者にとって一番不利益と言える部分は、新NISAを使えないという点です。使えないならまだしも新NISA口座を閉じる処理まで要求される場合が多いです。よく調べ上げた人なら法令上は5年以内の海外赴任者は継続できると思われるかと思いますが、対応していない証券会社が多いのが現状です。

3番目、特定口座は口座を閉じ、すべて一般口座に移されます。海外赴任中は特に不便に思うことはありませんが、帰任後再度日本で取引をする場合は、一般口座のままですので売却時は自分で確定申告の税務処理をしなければなりません。

4番目、ほとんどの証券会社は駐在期間中は株式購入することはできないです。非居住者になることを申請せずに取引継続しようと思えば可能ですが、規約違反になるため帰国後も長く株式投資を続けていこうと思う方はやめておいた方が無難でしょう。外国株・先物・信用取引等も無論制限がかかります。

5番目、今の時代では証券会社で実家等の国内に住所変更手続きを行えば、株主優待をすべて送られてくるようになります。海外先には送れないという点は注意が必要です。

Q 証券会社のルールに従わなかった場合はどうなるの?

A 盗られたりしないので安心してください。証券会社によって変わる可能性がありますが、一般口座に移される場合が多いかと思いますが、最悪の場合は売却されてしまいます。

参考:海外に行くことになりました。取引は継続できますか? : SBI証券 (sbisec.co.jp)

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株主の優しさ
日本/台湾の金融向けの情報を発信中 FIREを夢見て日々情報収集 資格:FP2級、簿記3級 経歴:エンジニア、株式運用9年、不動産投資4年